「ゲームと健康科学」― 高校生の探究が大学での研究発表へ

「ゲーム」を研究する

「ゲームを使って、何か研究してみたい」。

そんな興味から始まった生徒たちの探究が、大学での研究発表へとつながりました。

9月5日(土)、九州情報大学で開催された「ゲームと健康科学 第3回研究会」に本校生徒が参加し、これまで取り組んできた研究成果をポスターセッション形式で発表しました。

生徒たちが向き合ったのは、「ゲーム」と「健康科学」を組み合わせた研究です。

既存のゲームを使って実験するグループ、自分たちでカードゲームを考案するグループ、Webアプリの開発から取り組むグループ。同じ「ゲーム」という出発点から、それぞれ異なる問いが生まれました。

今回発表した研究テーマは、次のとおりです。

  • 健康習慣を学び、行動変容につなげるカードゲーム「Health Rattel」の開発と評価
  • 短期記憶を鍛えるメモリーゲームの開発と効果検証
  • 『マリオテニス フィーバー』のプレイは実際のテニス技能に影響を与えるか
  • 『オーバークック 2』の協力プレイは世代を超えたコミュニケーションを促進するか
  • 四則演算ゲームによる計算能力向上の検証
  • 長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)を支援するアプリの開発
  • 写真・一言分析から感情を読み取り記録していくアプリケーションの提案

【写真:生徒と教員が『オーバークック 2』を使って実験している様子】

試行錯誤を重ねて

研究を形にするため、生徒たちは本校の「裁量的な時間」だけでなく、夏休みや放課後の時間も使いながら活動を続けてきました。

ゲームやアプリを制作するだけではありません。

「何を明らかにしたいのか」
「変化を確かめるには、何を測ればよいのか」
「どのように比較すれば、その違いを説明できるのか」

九州情報大学の荒平高章先生から研究計画について助言をいただきながら、実験方法を考え、実際に検証し、データを集めて分析し、最後は研究成果を一枚のポスターにまとめました。

普段の授業とは別に、自分たちの興味から始めた研究のために時間をつくり、試行錯誤を重ねてきたこと自体が、生徒たちにとって大きな挑戦でした。

そして、その過程は必ずしも順調ではありませんでした。
予想していたような結果が出なかったり、十分なデータを集められなかったりしたグループもあります。

しかし、そこで終わらないのが研究です。

「実験方法を変える必要があるのではないか」
「対象者を増やしたらどうなるだろう」
「評価方法そのものを見直したほうがよいのではないか」

思うような結果が得られなかったからこそ、次に考えるべき問いが見えてきます。

「うまくいかなかった」という結果も、次の研究につながる。
今回の活動を通して、生徒たちは研究のそうした一面も経験しました。

自分たちの研究を、言葉とポスターで伝える

そして9月5日、自分たちの研究を初めて会う人たちに伝える日を迎えました。

ポスターセッションでは、大学の先生や学生、研究会の参加者の皆さんに、研究の目的や実験方法、得られた結果について説明しました。

【写真:ポスターセッションで研究内容を説明する生徒たち】

説明すれば、質問が返ってきます。
時には、自分たちが考えていなかった視点からの指摘もあります。

最初は緊張していた生徒たちも、発表を重ねるにつれて、自分たちの研究について積極的に説明する姿が見られるようになりました。

また、九州情報大学の学生の皆さんにも親しく声をかけていただき、高校生と大学生が自然に研究について意見を交わす場面が数多くありました。

学校で進めてきた研究を外へ持ち出し、他者から問い返され、新しい視点を持ち帰る。

研究会は、生徒たちにとって「発表する場所」であると同時に、次の研究を始める場所にもなりました。

【写真:生徒・教員・荒平研究室の皆さんとの集合写真】

「面白そう」から始まる探究

私たちにとって身近な「ゲーム」も、視点を変えれば、身体運動、認知機能、コミュニケーション、学習、健康行動など、さまざまな研究テーマにつながります。

最初にあったのは、「面白そう」「やってみたい」という気持ちでした。
そこから問いをつくり、方法を考え、実際に試し、思うようにいかなければ考え直す。そして学校の外へ出て、自分たちの研究を他者に伝える。

今回の発表で研究が終わるわけではありません。

純真高校ではこれからも、生徒自身の興味を出発点に、大学や地域、外部の専門家とも連携しながら、学校の中だけでは完結しない探究活動に挑戦していきます。

投稿者プロフィール

椎葉 圭
情報科主任