5月24日,純真高等学校の全教職員を対象とした「職員研修」が実施されました。
研修内容は,「VUCA社会に向き合う探究モードへの挑戦」です。
講師としてご登壇いただいたのは,東京都市大学大学院環境情報学研究科の佐藤真久教授です。福岡まで足をお運び頂き、大変ありがたく存じます。
佐藤教授は「探究」や「SDGs」に関連する書籍を多数上梓されており,日本の「探究活動」を支える中心的な方です。今回は特別に,本校に合わせた研修プログラムをご準備いただきました。
「VUCA」とは「Volatility(変動性)」「Uncertainty(不確実性)」「Complexity(複雑性)」「Ambiguity(曖昧性)」の頭文字を取った言葉で,現代社会を象徴する言葉です。
佐藤教授は,VUCA時代において重要なのは「正解のない問いと共に生きること」だと強調されました。かつての学習では,桃太郎の物語で例えると「なぜ桃太郎は鬼退治ができたのか?」という問いに対する明確な答え(=そこに鬼がいたから)が存在していました。しかし,VUCA時代では「鬼のいない時代(答えのない時代)」とも言われ,正解が通用しない状況に直面しています。
このような時代を生き抜くために必要な力が「問い」を立てて「探究」する力であると述べています。
この「探究モード」には,「ワクワクとドキドキ」が欠かせないとも語っています。これからの学びには,「遊び→情熱→目的」というプロセスが必須であり,本気で取り組む姿勢が大切です。
その際に明確な答えがないことから生まれる「モヤモヤ感」も探究心を刺激する重要な要素になるようです。
特に高校生にとって,情熱を持って探究し続けられるものを見つけることは,「学びのエンジン」となります。
探究活動を始める前に,まずは「探検モード」に入り,自分が本当に興味を持てるテーマを見つけることが大切であり,その情熱を加速させ「探究モード」へと入っていく過程を支えるのが私たち教員のこれからの使命となっていきます。
さらに,部活動もまた探究活動そのものであるという新たな気づきを得ることもできました。
部活動では,新しいことに挑戦し,様々な困難を自分で模索して乗り切るという探究活動に通じる活動がこれまでも行われていました。
佐藤教授は,「探究活動はこれまでやってきたことの延長線上にある」と述べており,探究とは決して真新しいものではなく,これまでの経験を活かしながら発展することができるという考え方が私たち教職員をより前向きにさせてくれました。
探究心を持つことは,単に知識を得るだけでなく,自分自身を深く理解し,社会と繋がる力を育むことに繋がります。
今回の研修で教えていただいた佐藤教授の言葉を胸に,私たち教職員もまたVUCA時代を生き抜くための探究心を大切にしていきたいと思います。
純真高校の教職員は,このVUCA時代に適応し,個々の探究心を育てていくことを目標としています。
そのためにも今後も生徒たちと共に成長していけるよう日々努力してまいります。
広報担当 小澤