Hi there. 英語科の岡田です。
夏休みの宿題と言えば、2学期の始業式に回収。未提出の生徒に催促をし、生徒は答えを丸写して提出。これでは課題の意味がない! ということで、英語科では頑張りを努力ポイント化する、という新たな取り組みを行いました。
夏休みの宿題をデジタル化
受験学年ではない、1年生と2年生を対象に共通のデジタル課題を課しました。クラスによっては紙教材との併用もありましたが、後述する通り、頑張れば頑張るほど努力ポイントとして成績に反映され、最終的に提出できたかよりもプロセスを重視する方法を採用しました。
演習セット(Practice Set)・Google Formsで配信
Google Classroom (有料版) に標準搭載されるようになった「演習セット(Practice Set)」、テスト配信の定番Google Formsを利用しました。Spreadsheetと自動連携されるため、データ分析を効果的に行うことができます。
生徒たちは指定された日にClassroomに自動配信される問題を解きます。
演習セット(実際の配信問題)
Google Forms(実際の配信問題)
解答はスプレッドシートに自動収集される
クラスによっては、通常授業内で使っているオンラインコンテンツがあり、プラスアルファでそれらもアプリ上で自動配信をしました。例えば、2年生では「タンゴスタ」でTarget 1200の単語帳の理解度テストを日々自動配信。進捗状況は全てアプリ上で確認することができます。
提出状況をデータでみとりながら担任と連携
提出率は全てデータでみとっているため、出具合を見ながら、担任に協力を要請しました。
結果的には、クラスごとで提出状況の解消に大きな差が生まれたので、これは次回冬期休暇に向けて施策を練りたいと思います。
頑張った分はそのまま成績評価へ
解答を集約しているスプレッドシートを、成績評価用のスプレッドシートへと連携させ、どれくらい頑張ったかに応じてスコアを与え、学期の成績にそのまま換算。努力をすればきっちり適正評価を受けられる、という仕組みです。
提出期限の9/1時点の提出率が良くなかったため、1週間の延長期間を提供し、敗者復活戦も実施。
高校生たちはいつ夏休みの宿題をしているのか -DX化で分かったリアルな実態-
提出者数のY軸の具体的数値はお見せできませんが、前半戦の課題提出者は微々たる率。
教員になり初めて夏の生徒の動きを見て、ただただ驚きでした。宿題・課題を最後にまとめてやる、というのは大人でもあることだと思いますが、これほど後ろ倒しにするとは!というのが正直な印象です。英語では「先送り」をフォーマルな言い方でprocrastinateと言います。このprocratinateへの対処法は海外の最新研究ではっきりしているので、期間全体で分散して頑張れるようなサポート体制をこれから作っていこうと思います。
実は配信開始日は7/24でしたが、見事に0%でした。
8/9前後では登校日があったため、直接課題へ取り組むように生徒たちが伝えられた時期です。8/22前後は夏期講座があったため、学習モードにあったと考えられます。そして、夏休み最終週になると怒涛のように提出率が増加しはじめます。提出期限日がピークに。
リアルな実態を見てとることができました。
面白いことに期限日翌日が2番目のピークになっています。期限を日曜に設定しており、始業式が翌日にあったためと考えられます。
学習継続をサポートできるか
今回の夏期課題のDX化を通じて、生徒の皆さん自身が主体的に学習できているか?はまだまだ改善の余地があることが分かりました。また私たち教員の役割として、ただ丸投げしていつまでに提出、では良くないことも分かりました。
途中途中のプロセスをみとり、適切なタイミングで学習への意欲が増すような働きかけをすること。これをデータ分析によってより効果的にしていきたいと思います。