Here is the English-translated version.
純真高校広報チームがお送りする新シリーズ。
社会で活躍する卒業生
シリーズ第1弾は、昨年度ドイツブンデスリーガで活躍していた、女子プロバレーボール選手の溝口由利香さん。
私たち純真高校は、協働、自己探求、奉仕という考え方を軸に、変化の激しい社会の中ででもブレることなく主体的に活躍できる人材の育成を目指しています。指示を待つのではなく、自分でアクションを起こす。他者をリスペクトしチームで取り組む。自分自身の頭で考え課題への解決策を考える。
そんな純真高校を巣立って、活躍されている溝口さん。ドイツ、ブンデスリーガにまで渡れるほどの彼女がどういった高校時代を送っていたのか、海外にわたる決断をした理由、海外で直面した苦労。その時に、高校時代にしておけばよかったと思ったこととは。
インタビューを通じて、アクションを起こすことの大切さを学ばせていただきました。
溝口由利香さんプロフィール
溝口由利香
1995年福岡市生まれ。2014年純真高校卒業。
日本体育大学を卒業後、2018年にプロバレーボールチーム「ヴィクトリーナ姫路」に入団。その後、2023年にドイツブンデスリーガのVfL Oythe で活躍。
昨シーズンはそのブンデスリーガでMVPを獲得。
メディア
溝口先輩へのQ&A
本校教員が溝口先輩にインタビューさせていただきました。
純真高校を選んだ決め手は何だったんですか?
2個上に姉がいて、練習の時の雰囲気や試合の時の応援が楽しそうだったんです。それから、姉と一緒にバレーがしたかったんですよね。姉と一緒に春高に出場したかったんです。
高校時代の思い出を教えてください。
ほぼ毎日バレーの事を考えていたので学校行事の事は覚えていません!ですが、高校3年生のクラスマッチではクラス全員が1つになって団結して取り組めたことははっきり覚えています。
日体大進学が決まっていたので、クラスメイトたちがピンクの布に「日体大」と大きく書いた寄せ書き付きの団幕をもらったのも、鮮明に覚えています!!
高校時代に成長できたことを教えて下さい
中学校の時は荒れに荒れていたので、それがまずは治まったことが大きな成長だと思っています。
高3の時は、キャプテンになり、チームを勝利に導くためどうすればいいのか、どう引っ張るべきなのか自問自答しながら過ごしていました。同期が私を含め13人いましたが、全員に助けてもらいながら後輩にも支えてもらい、他人を信頼するということが出来たのは私にとってはひとつの大きな成長です。
高校時代からプロになろうと思っていたのですか?
高校時代からプロになろうとは思っていませんでした。その当時は県大会での優勝や全国大会すら出場ができず、悔しい日々が続いていました。
プロになろう!というより、レベルが高いバレーボールがしたいという気持ちがあり、福岡を出てバレーボールを続けたいという強い意志があったので、大学(日本体育大学)に進学しました。
なぜドイツにわたることにしたのか
ヴィクトリーナ姫路入団をきっかけにプロバレーボール選手になりました。姫路で一緒にプレーした外国人選手の影響もあり、海外でプレーしてみたいなと思うようになりました。海外でどこまで通用するのか挑戦したい!という一心でドイツに渡りました.
ドイツで苦しんだ経験は?
苦しんだ経験は、言葉の壁です。英語も話せない上、ドイツ語も覚えないといけないということで、慣れるまでは苦しむというか言葉の壁というのはこういうことなのかと実感しました。
ドイツにわたって良かったことは?
海外のバレーを経験したことです。高さやパワーがまずは違うんです。だから、試合の中での臨機応援に対応力がついたと感じてます。
また、現地の方と仲良くなることができ、ドイツの歴史や文化に触れるという、なかなかできない経験をさせてもらいました。
在校生に今しておいてほしいこと
失敗を恐れず何事にも挑戦すること。なにか新しいことを始める時は不安があると思うし、失敗したらどうしようという気持ちもあると思います。でも、何も挑戦しないより、行動することによって成長する機会が増える。失敗したとしても、自分の経験や今後に繋がる1歩だと思います
ですから、失敗を恐れず何事にもTryしましょう。そして、学生生活を思いっきり楽しんでください。
当時の担当教員より
高校1年生の頃は、(本人が言っている通り)荒れた中学生時代の名残を感じていました。ですが、3年間の中で大きく成長する姿を間近に見てきた身としては、キャプテンになってからの彼女の成長スピードはすさまじかったことを覚えています。苦しみながらも試行錯誤を繰り返しチームを引っ張っていく。その中で、迷ったら挑戦する方を選択している姿が印象的でした。純真高校では、主体的に行動を起こせる人材の育成に力をいれているので、そういった教育が実を結んだ瞬間に一人の若者を通じて立ち会えたことを嬉しく思っていました。そして、卒業後、こうやって海外にわたるというアクションを起こせた彼女を心から誇らしく思います。
当時も現在も監督である熊本校長より
東京の日本体育大学に進学する際の、福岡空港での見送りの瞬間を今でも覚えています。高校3年間の中で、惜しくも県大会での優勝も全国大会出場もかなわなかった彼女の言葉です。
「先生、日本一になって帰ってきます!」
わずか半年後の全日本選手権、全国優勝を成し遂げました。
「有言実行」という言葉は彼女のためにあるものだと感じました。また、試行錯誤した3年間を目にしていただけに、自分のことのように嬉しく思ったことを今も覚えています。彼女の教え手であれたことを心から誇りに思っています。
編集後記
やるかやらないか迷うことは、大人でも、たくさんあります。その時に「やる」を選択するには大きな勇気がいるものです。実行に移した場合、失敗するリスクや実行に伴うストレスがどうしても大きく見えてしまうもの。しかし、たとえそうであっても、ゴールに向かうまでのプロセスの中で学びは多く、その経験値は人生の財産にもなります。今回溝口さんにインタビューさせていただき、実際にアクションを起こすことは、とてつもない成長の原動力になるのだと再認識しました。
また、溝口さんのドイツでの語学力の壁のお話を聞き、高校での学習面における努力は、長いスパンで見た時に、将来の選択肢を広げてくれるものだと思いました。
私たち教員ができることは、自分の意志で行動を起こせる人材を育成すること。さらに、生徒たちのワクワクを引き出す授業展開をしていき学力という点で未来を広げること。今後も生徒の皆さんを精一杯サポートしていきたいと思います。