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【英語科】探究型英語授業 x DX x WPM -3ヶ月間の速読力変化-

Hi there. 英語科の岡田です。

現在、担当クラスではほぼ全ての英語の授業を探究型にしています。

4月から始めたこの取り組みの成果を1学期の最後に速読力の推移でみとることにしました。

探究型英語授業

担当クラスでは、主にCLILの手法を使用した授業展開をしています。

例えば、検定教科書で、triggerの事例が紹介された場合に、淡々と教科書を読んで付属の問題を解いただけでは、思考力も鍛えられないし、動画で解説視聴ができるこの時代に一方的な解説で終わってしまうと、教室にいることの旨味が活かせません。

そこで、教科書の内容を深堀りしていく際に、その内容に関わる概念を他教科の知識を使って深堀りします。

triggerを理解するために他国の社会問題に焦点をあてる
先に出たグラフの答えのヒントをさらにグラフで提示

こういった作業を通じて、協働学習を促し、さらに、複数の情報を比較する訓練ができるため、楽しくアクティビティをしていたら共通テスト対策になっていた、という授業設計になっています。

さらに、個人的なゴールは、そういった授業形態でも東大合格レベルに育てる、ということです。探究型というと遊んでいるイメージがまだまだ伴います。正直遊んでません。むしろ、高度な思考力を育成できる手法だと実感しています。あとは、それを学力という成果にいかにつなげていくか。これは、授業をする側の教員の研究と計画に大きく依存すると最近思っています。

さて、深堀りしていくと、それを解くために必要な知識が必要だ!と生徒たちは気づきます(ですから、先に知識を与えるのでははなく、浅い活動をしてもらい、その中で必要な知識が何かを実感してもらう、という逆向き設計で授業構成をしています。これは論理・表現でも同様で、「解説・解説・解説 > 演習」という流れは今年度より完全に卒業しました)。

その一つの答えのサンプルが教科書にある。アクティビティで疑問に思ったことを検索しながら読んでみよう!と促していけば、スキャニングという検索読みさえも習得できます。さらに、リーディングの感度があがります。ラウンド性という同じ素材を「浅く > 深く」と複数回読む方式をとっているため、反復学習も実現します。

最後に、当事者意識をもってもらう(authenticity)ために、PBL型で授業を締めます。

検定教科書Lesson 4で利用したPBL型ワークシート
(triggerの概念を理解を深くし、authenticityを高める)

なお、この活動の後に、triggerに関わる東大の過去問を解き、完全に受験英語に接続という流れをとりました。

探究 x 音声活動

音声活動は、英語総合力の土台となる「発音」、さらに、スピーキング(話す)としてのアウトプット活動になるので、英語力全てを高めてくれます。

担当クラスのほとんどでは、「探究」と「音声活動」を授業の中心として展開しています。

そこで、よく質問を受けるのが、「探究だけしていて力がつくのか」「音声活動、言語活動で大学受験に対応できるのか」

というものです。

個人としては、東大に接続できる設計をしており、誰よりも受験との接続を加味した授業になっていると自負しています。また、遊んでいるわけでもなく、ほぼ全ての活動に伏線があり、意味づけもしています。しかし、数値としての変化がほしいところ。そこで、本格的に「探究」「音声活動・言語活動」をして3ヶ月たった1年生の担当クラスで、「速読力」の伸びを測定しました。

DXでWPMをみとる

WPM

wpmとは、1分間に読める語数のこと。担当クラスでは、純真オリジナルのWPMスケールで、自分自身のLEVELを見える化しています。

生徒たちはこのスケールで自分がどのレベルにあるのかを客観視することができます。また、全国の英語学習者の皆さんに使っていただいている純真wpmカウンターで生徒自身はすぐに結果を算出することができます。

1年生の速読力の推移

速読力が1.24倍にあがりました。

オリジナルのスケールでのレベルは2から5へとステップアップしています。

生徒別推移

こちらは生徒に提示し、自分の立ち位置を客観視してもらっています。クラスによっては、「この生徒のwpmの上昇率が低いけれど、何が原因だろうか?」と問いを立てて、協働して、解決策を考える場合もあります。この時に力の伸びはそれぞれで、学びには多様性があってよい、ということは強調したうえで、他クラスの平均値も提示し、クラス対抗であることを認識してもらう場合もあります。そうすることで、できる生徒は、苦手な生徒のために何をしたらこのクラスのレベルがもっとあがるだろうか?と考えるようになります。

いずれによせ、DXを活用して、生徒自身が自分自信を客観視することで、自分の現状を知り、ゴールまでのギャップを数値で実感してもらうこと、をこころがけています。レベル1~13のような表示にするとゲーム感覚で楽しいからモチベーションがあがるようです。

探究型英語授業で十分な成果がでる

協働活動、音声活動、言語活動を中心とした探究型授業、特にCLIL型授業を受け始めて3ヶ月。学習効果はこの短期間で1.24倍という成果がでました。

次のゴールは、模擬試験という分かりやすい定量的変化が見えるもので成果を出すこと。

ということで、来週より始まる夏期講座でのミッションは8月の模試で歴代トップの成績をとる!

と担当クラスの1年生の講座シラバスに明記しました。

実現してくれそうなメンバーがそろっているので、ワクワクしています。

また、このクラスの成果は昨年度の成果と合わせて、九州地区の教員向けセミナーにて研究報告をします。

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岡田 直也

元経営者の英語科教員。入試広報部長。IIBC AWARD OF EXCELLENCE 2023受賞。TOEIC(LR)990点。英検1級。Anaheim University (TESOLコース)。出版:「TOEIC満点講師が教える科学に基づいた英単語の勉強法」(NY出版)「英語のプロ300人に聞いた 日本人のための 絶妙な言い回しフレーズブック」(DMM英会話)他

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