2024年11月27日、本校では今年度第4回目となる職員研修を実施しました。今年度最後の研修となる今回も、全4回にわたる研修で講師を務めてくださった東京都市大学大学院の佐藤真久教授をお招きしました。
今回の研修テーマは、「ビジョンづくりから校務分掌におけるプロジェクト策定へ」です。
本校では、「教務」「生徒指導部」「高校魅力化推進部」など、さまざまな校務分掌が設けられており、教職員がそれぞれの分掌で学校運営を支えています。今回の研修では、校務分掌ごとのチームに分かれ、以下の4つのステップを通じてプロジェクトの策定を目指しました。
1.ステークホルダー分析
2.問題分析
3.目的分析
4.プロジェクトの策定
佐藤教授が関わる国際的なプロジェクトでも用いられている実践的な手法を取り入れた研修で、教職員たちは探究的な学びを意識しながら取り組みました。
ステークホルダー分析:関係者を可視化する
研修の第一歩は、自分たちの分掌が関わる「ステークホルダー」を洗い出すことから始まりました。模造紙と付箋を使い、校内外に目を向けて具体的にリストアップしていきます。
「こんな方たちも関係していたのか!」と新しい発見があり、普段意識していなかった関係者にも目を向けるきっかけとなりました。
問題分析:問題の本質を深掘りする
次に、各分掌が抱える中心的な問題を考え、設定しました。
設定した問題は模造紙の中央に書き記します。その後、この問題が引き起こすマイナスの影響を付箋に書き出し、模造紙の上部(中心問題の上)に貼り付けました。
付箋をたくさん書き出すために、「その結果?」という言葉を繰り返し自問し、さまざまな角度から考えるようアドバイスをいただきました。書き出しが終わると、それらをツリー構造に整理し、問題の影響を体系的に視覚化しました。
次に、その問題がなぜ発生してしまうのかという原因を分析しました。この段階では、「なぜならば」を問い続けることで、問題の直接的な原因を探ります。ここでも付箋を多く書き出すことが求められ、さらに、横方向にツリー構造を展開することを意識して整理しました。
これらの作業により、問題の影響と原因を具体的かつ多角的に見つめ直すことができました。
目的分析:逆転の発想で理想を描く
1枚目の模造紙が完成した後は、「逆転の発想」を用いて、理想の状態を描いていきます。
最初に設定した問題をポジティブな言葉に置き換え、例えば「○○が明確になっていない」という問題を「○○が明確になっている」のように転換します。
その上で、理想の状態がもたらす「プラスの影響」や、それを実現するための条件を付箋に書き出し、再びツリー構造に整理しました。
このプロセスを通じて、問題や原因が逆転し、到達すべき目的や新たなプロジェクト案として具現化されました。
成果発表:熱意あふれるプロジェクト提案
研修の最後は、各チームによる成果発表です。短い時間の中でまとめられたプレゼン資料を使い、次年度から取り組む具体的なプロジェクトや、令和11年度までの長期目標について発表が行われました。
各チーム、問題解決に向けた意欲と熱意が伝わる発表となりました。
探究する教職員の挑戦は続く・・・
今回の研修では、教職員が自ら課題を発見し、解決策を考えるという探究的なプロセスを実践しました。佐藤教授の手法に触れることで、教職員自身が新たな視点や考え方を学ぶ貴重な機会となりました。
この研修で策定したプロジェクトを、来年度以降、実際に進めていくことで、さらに魅力ある純真高校を目指します。