Hi there. 英語科です。
6月14日より、今年度のオンライン英会話がスタートしました。
昨年度後半から、4技能をバランス良く授業接続できること(授業のアウトプットの場とする)を目的とし、新たな受講方法を模索し、トライアルとして数回実践してきたものを、今年度本格的に導入しました。
オンライン英会話
純真高校では、バランスの良い4技能の育成を目指して、オンライン英会話を導入しています。
英語における総合力養成の1つの考え方として、伸ばしたいスキルと対応した別のスキルを伸ばすと、自動的に目的となるスキルが伸びるという考え方があります。
例えば、「読む」というインプットスキルを高めたい場合、もっと速読できるようになりたい、瞬時に内容把握ができるようになりたい、といった場合は、「書く」「話す」というアウトプットスキルを強化すると自動的に伸びるという原理です。
これまでの日本の英語教育は、土台となる単語、発音、文法と読むスキルにしか焦点を当ててこなかったのに対し、こういった基本原則が現在ははっきりしているため、今の学校での英語教育は「オールイングリッシュ」を目指していたり、グループ活動で話す量を増やしたりとバランスを整えようとしているんです。
純真高校でもその考えは一緒なのです。
レッスンの様子
授業との接続を実現した新たな英会話レッスン
一般的なオンライン英会話レッスン
オンライン英会話レッスンというと、指定教材があり、その中から自由に選択をする、という形式が一般的です。このやり方を学校にはめた場合の欠点は、今学習している授業と連携できる内容がなかなか見つからない、ということです。
完全にカスタマイズできるスクールを採用するとなると、大きな予算が必要になってきます。
純真高校でのオンライン英会話レッスン【BEFORE】
昨年度前半までは、定期考査直後の少し解放された時期に年5回オンライン英会話を実施していました。教材は業者さんの指定教科書の中からこちらで強制的に選択。検定教科書でおこなっている授業とリアルタイムでの接続は実現していませんでした。
純真高校でのオンライン英会話レッスン【AFTER】
ところが、授業でインプットしたもの(読んだり聞いたりしたもの)を外国人とアウトプットしたほうがはるかに効果が高いのではないかと考え、次のように変更しました。
1. 英会話の実施時期はクラスごとで自由に選べるようにした
...教科書の内容に対して、アウトプットがほしいタイミングですぐに外国人とやりとりができるように。
2. カスタマイズできるように交渉した
...こちらは業者様の企業努力に感謝です。フリートークの枠にこちらが指定した流れでレッスンをしていただけるようにしていただきました。
3. 生徒には授業で学習した内容に対する「問い」をつくるようにした
...授業で学習した内容に対して「問い」を立て、それをリアルな外国人に尋ねる、というやり方に変更しました。
今回のレッスンでは、教材を「受け身」が含まれるUNITに指定しました。これで論理・表現の授業と接続ができました。さらに、英語コミュニケーションでは、「SNSでの友人づくりの利点・欠点」「万博の歴史と役割の変化」について読解をしてきたので、インタビューシートを事前学習で作成する際に、例えば、「どんなSNSが最も流行っているの?」という質問から、「SNSでのネガティブな要素を解決するにはどうしたらいい?」という「問い」などを作成。本番でぶつけました。この方法で、習いたての文法も、理解したての読解も、アウトプットの場の確保を実現することができました。
リフレクション -この方法で主体性が増した-
インタビューシートには、リフレクションパートも含めており、「無力さを感じた」「聞き取れたのに話せなかった」という課題があった一方、「授業で学習したことを実際に活用してみて理解が深まった」という意見が多数。
そして、レッスンに対する積極性も、レッスンに対する満足度も5段階評価で平均4.5以上でした。
もう少し実例と分析が必要なものの、オンライン英会話レッスンを授業と接続する方法に変えて、体感としても数値としても、主体性が増したことが分かりました。
探究 x DX x 英会話
探究・教育DXの学校としては、さらにこのオンライン英会話を進化させていく予定です。
外国人講師に対する質問もまだ「問い」ではなく「質問」や調べ学習の段階にあります。また、教員側もまだまだDXの学校という利点を活かしきれていません。特に「話す」というのは日本人英語学習者にとってはまだまだハードルが高いと言われているので、「私でも話せた!」という自信を持てるように支援していきたいと思います。