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生成AIガイド -TOEIC満点の英語教員が活用しているサービスとは-

Hi there. 英語科の岡田です。

2022年より生成AIを日常利用するようになりました。最初はリリースされたてのChatGPTから始まり、主に生徒の英文添削に利用していました。そのうち、GeminiやGammaが登場し、スライドも自動作成できるようになり、教科業務にも校務にも欠かせない存在へ。

生成AIサービス x 運営企業

まずは、どんな企業が運営しているのか、を確認してみましょう。運営企業が有名なものを中心に生成AIサービスを整理すると次のようになります。

生成AIサービス運営企業
ChatGPTOpenAI
BardGoogle
Copilot [Bing AI Chat]Microsoft
Perplexity AIperplexity AI
NotionNotion Labs Inc.
JasperJasperAI, INC.
Catchyデジタルレシピ

教育関係者に抜群の人気を誇るのがPerplexity AIです。理由は後述します。

目的 x 生成AIサービス

(Geminiウェブサイト)

どんな目的を持っているかによって適した生成AIサービスがあることを理解しておくと、必要に応じて最適な成果を生み出しやすくなります。

目的生成AIサービスできること
テキストの生成ChatGPT, Gemini, Claudeチャットによる対話で生成
画像の生成DALL-E 3, Midjourney, Stable Diffusion, FLUX. 1, Image FXテキストからイラスト・画像を生成
動画の生成Runway Gen-3 Alpha, Dream Machine, OpenAI Sora, Google Veoテキストや画像からオリジナル動画を生成
スライドの生成Gamma, Gemini, Copilotテキストからスライドを生成
情報検索とかけあわせPerplexity AI, Genspark, STORMウェブ上の情報検索をし生成AIにより要点を整理してくれる
ビジネスとかけあわせCopilotMicrosoft OfficeやGoogle WorkspaceのSpreadsheetなどに拡張機能として活用

上記表には記載していませんが、現在最も勢いがあるのが、Canvaです。

Canvaは元々コロナ禍でオンラインセミナーやオンラインレッスンに特化したスライド作成ができることで爆発的に人気になりましたが、今や画像生成・高度な画像・動画編集さえもできます。学校単位で登録すると、有料版が無料で使えます。現在、校内での利用者はおそらく私だけなので、キャンバサダーとして、2024年度の目標は本校にCanvaを広めていこうと思っています。

また、MicrosoftのCopilotはWindowsに標準搭載されているため、Windowsユーザーにとってはおなじみかもしれません。私はMacbookユーザーのため、この精度がどの程度のものか把握できていませんが、利用されている先生は常時開いてチャットを楽しんでいたり、わからない校務の相談をされる方もいます。

画面右下のカラフルなPREをクリックすると登場します

TOEIC満点の英語教員はどんな業務に使っているのか【教科篇】

  • 定期考査の作成
  • 教科書の内容一致問題等演習問題と解答・解説の作成
  • 教科書の語彙リスト表の作成(Amazon PollyまたはOndoku3とかけあわせて音声も作成)
  • 文法問題の日本語訳と解説の作成
  • エッセイの添削
  • Excel / Spreadsheetの拡張機能を利用したエッセイの自動添削
  • 授業の指導案の自動生成
  • テストの結果と推移の整理・データ分析

TOEIC満点の英語教員はどんな業務に使っているのか【校務篇】

  • アンケート結果の整理と分析
  • Spreadsheetの作成
  • それらの結果をエクセルデータやスライドデータへ変換
  • 分からない関数やプログラミング言語の検索
  • Excel / Spreadsheetの拡張機能を利用したデータの整理
  • 学習プランニングシートの作成補助
  • 1 on 1面談の際の自己分析の整理・アドバイスの検索
  • 校内文書や保護者向け文書の作成
  • 各種テンプレの作成
  • 部活動運営

英会話に使うこともできるChatGPT

ChatGPT有料版で実際に英会話した内容のトランスクリプション

有料版とはなりますが、英会話への利用も可能です。精度は驚くべきほどの高さで、普通にキャッチボールができます。そして、AI自体が学習をしてくれるため、前回の話をもちろん覚えてくれていたり、答えがわかると途中で話をさえぎってくることもあり、かなりリアリティーがあります。もはやオンライン英会話をするなら、ChatGPTでいいんじゃないか?!と思わされる精度です。

言語設定をいかようにもできるため、韓国語、あるいは、日本語の方言も可能です。

TOEIC満点の英語教員が使っている生成AIサービス

  • ChatGPT(有料版)
  • Perplexity AI
  • Google Chromeの拡張機能 GPT for Sheets and Docs
  • Gemini in Google Slides
  • Image FX

これらにに加えて、Canvaを日常的に使用しています。プレゼンテーションや画像・イラスト生成では、Canva一択でもよいかもしれないくらい、日々アップデートされています。文章作成さえもマジック作文という機能で、生成、要約まで幅広く行えます

ですので、ChatGPT+Perplexity AI x Canva というのが現時点での最強のコンビだと感じています。

2. Perplexity AIは教育業界で大人気ですが、その理由は、情報の出典が明示される点です。情報検索に特化しているため、示される結果に、どのウェブサイトからもってきたが分かります。情報教育上の観点からも好まれることに加えて、英語の授業では、出典元で、情報を深堀りしたり、言語活動や問い立ての道具にしたりしています。大学入試情報の検索にもよく利用します。

3. 拡張機能はわざわざ生成AIサイトに飛ばなくても、Sheet上で簡潔できるため、時短が可能なところが利点です。

4. 現在はCanvaのテンプレを主に使っていますが、Geminiはブレインストーミング目的で、作りたいスライドの内容をざっくりいれたり、ドキュメントを読み込ませて生成し、それを参考にCanvaで作業を進める、という手法をとっています。なお、Powerpointにエクスポートすることもできます。

5. Googleが運営している画像生成AIです。数あるサービスの中で唯一といっていいほど、無料で使えるとところが魅力。ただし、プロンプトの精度をこちらがあげないと、うまく生成されないのが特徴です。ですので、ChatGPTやCanvaと結果を比較することが多いです。

プロンプトの基本的な考え方

覚えておくこと:「具体的に」指示する

ChatGPTといった生成AIでは「プロンプト」が重要になってきます。プロンプトは「命令」「指示文」のことで、適切な命令または指示文が与えられれば、AIの動きも滑らかになり、こちらの要望に近い結果が得られます。

初心者の方に確実に押さえておいてほしいことは、「具体的な」指示、「明確な」指示にすることです。

この文章の要点を要約を知りたいですが、自信があまりありません。要約よろしくおねがいします。

この文章の要点を200文字以内で要約してください。

上の正解例では、文字数を具体的に指示しつつも、簡潔に記述しています。ここにさらに、「なお、あなた(私)は日本の高校の〇〇科の教員です。高校1年生でも書けるくらいの要約を授業で生徒に提示したい、という前提があります。」のようにさらに具体的にしてもよいです。

私が英語エッセイ添削によく使うプロンプト

最近では、スプレッドシートに生徒の解答をペーストすれば自動で添削できるように拡張機能を使っています。ただ精度が低いためどうすれば運用レベルになるか試行錯誤中です。精度が高まっていけば、教科の先生方にも使用してもらえ、先生方の添削負担やストレスを減らせるはず!と考え、一刻もはやく運用できるように研究しているところです。

デジタル x アナログ

デジタルを使うことで大幅な時短を実現することができる一方で、業務によってはアナログで統一しているものもあります。最終的にどちらを採用するかは、効果が最大限出るのがどちらか。それも、私たち教員にとって、そして、生徒や保護者の皆さんにとって。

それぞれの特徴を知って利用することで、デジタル過多にならないように、生徒ファーストでありたいと思います。


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岡田 直也

元経営者の英語科教員。入試広報部長。IIBC AWARD OF EXCELLENCE 2023受賞。TOEIC(LR)990点。英検1級。Anaheim University (TESOLコース)。出版:「TOEIC満点講師が教える科学に基づいた英単語の勉強法」(NY出版)「英語のプロ300人に聞いた 日本人のための 絶妙な言い回しフレーズブック」(DMM英会話)他

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