新スクールバス登場 -生徒に負けず探究。教員がデザイン。-

2025年9月、既存のスクールバスのうち1台が寿命を迎え、新バスが納車されました。なんとデザインを担当したのは教員。なぜデザインすることにしたのか、どんな工夫をこらしたのか、インタビューしました。


教員も「探究者」として挑戦

椎葉 圭

生徒主体の探究活動を推進している本校ですが、今回のスクールバスデザインは「先生も生徒に負けずに探究している」ことの象徴。

生徒主体といえども、教員も日々アップデートしています。授業だけではなく、学校の様々な部分でよりよいものを提供するにはどうしたらいいか?と問い続けています。

今回はデザイン担当者の情報科椎葉教諭にインタビューしました。細部にいたるこだわりから、ゴールから逆算した緻密な計算、さらには、生徒を巻き込む今後の展望まで、デザイナー、クリエイターとして本校において唯一無二の存在だと実感するものとなりました。素晴らしい先生です。

インタビュー

Q1 なぜデザインを引き受けることにしたのですか?

私はもともとグラフィックデザインが特技で、これまでもオープンスクールのパーカーやTシャツ、ノボリなどをデザインさせていただいていました。そうした実績を学校側にも知っていただいていて、「今回もお願いしたい」と依頼をいただいたんです。自分の得意分野で学校に貢献できるのは嬉しく、自然な流れで引き受けました。

Q2こだわりのポイントは?

本校の学校訓のひとつに「気品」があります。品格を大事にしながらも、力強さを感じられるように、シンプルで洗練されたデザインを意識しました。学校名のフォントは、オープンスクールのノボリにも使ったもので、格調高いように見えますが絶妙なポップさも感じられて気に入っています。「かっこよさ」と「親しみやすさ」のバランスを大切にしました。

Q3 難しかったことは?

あまり要素を詰め込みすぎると品格が失われてしまうので、徹底して「引き算」のデザインを心がけました。線の太さや配置のバランスひとつで印象が変わってしまうので、サンプルを何度も印刷し、微調整を繰り返しました。シンプルだからこそ難しい、というのを実感しましたね。

Q4 デザインして、新たな学びや発見はありました?

普段は紙やデジタルで完結するデザインが多いのですが、バスのような「動くキャンバス」にデザインするのは初めての経験でした。走っているときにどう見えるか、遠くから見たときにどう映えるか、歩道側から見たらどうかなど、スケール感や視認性を意識する必要がありました。媒体が変わると、デザインの考え方も大きく変わるという発見がありました。

Q5 これから挑戦してみたいことってありますか?

これからは、本校のDXハイスクールとしての取り組みをさらに華やかにしていくために、いろいろなデザインが必要になると思います。その中で、自分が作るだけではなく、生徒自身がクオリティの高いデザインを生み出せるよう、技術的なレクチャーにも挑戦してみたいですね。「生徒と一緒に学校のデザインをつくる」というスタイルを広げていけたらと思っています。

校納金を生徒の恩恵に最大限還元

スクールバスは、毎朝、毎夕複数回、JR竹下駅と本校を行き来しています。他にも部活動の移動時、学外のイベントや講座の移動時、様々な場面で利用されています。

こういったものでさえも、探究の対象に。生徒がデザイン!という選択肢もありましたが、今回は教員自身も探究を実践するための機会とさせていただきました。

また、いただている校納金は、生徒の恩恵に確実につながっていくように計画設計をしています。新たなバスが生徒の皆さんの移動時の快適に少しでもつながると嬉しい限りです。

投稿者プロフィール

岡田 直也
元経営者の英語科教員。入試広報部長。IIBC AWARD OF EXCELLENCE 受賞。TOEIC(LR)990点。英検1級。Anaheim University (TESOLコース)。出版:「TOEIC満点講師が教える科学に基づいた英単語の勉強法」(NY出版)「英語のプロ300人に聞いた 日本人のための 絶妙な言い回しフレーズブック」(DMM英会話)他