【退任教員メッセージ①】「自分の意志」で人生を選択する ― 太田先生が10年間の歩みで伝えたかったこと

2026年3月13日、純真高校で、終了式の後に、離任式が行われました。10年にわたり数学の授業や担任、部活動を通じて生徒たちと歩んできた太田先生が、新たな門出を前に、自らの生き方の指針となる大切なメッセージを届けてくれました。

太田先生からのメッセージ

純真高校10年生としての卒業

まずは10年間、大変お世話になりました。この10年で数学の授業や担任、そして硬式テニス部の顧問と様々な形で純真生の皆さんの人生の一部分として関われたことを大変嬉しく思います。

この10年で「大人になってもまだまだ成長できる!」と思うことができたのは、日々探究し、成長し続けている純真生の皆さんとキラキラした日々を過ごさせていただいたからだと思っています。

2分の1の確率

離任式でもお話ししましたが、”生きる”ということは『常に何か選択をし続けること』だと私は考えています。そのうえで私が大切にしているもう一つの考えをここでお伝えします。

「幽霊がいるかいないか」や「神様がいるかいないか」というのは永遠に議論の尽きないテーマです。皆さんの中にも「幽霊はいる派」と「幽霊はいない派」で2分の1に別れると思います。では「明日が来るか来ないか」というテーマではどうでしょうか?ほとんどの人は考えたことがないのではないでしょうか?おそらく当たり前に「明日はやってくる」と思う人が大半だと思います。

当たり前は本当に当たり前か

私が2020年に担任をもった時、世間はコロナ禍で大混乱。入学式を実施することができませんでした。クラスは分散登校となり、クラス全員が顔をあわせたのは入学して一ヶ月以上たった頃。当たり前の高校生活を送らせてあげられなくなって初めて、「当たり前の明日はないんだな」と感じたことを今でも鮮明に覚えています。だからこそ、この純真高校での日々は私にとって毎日が特別な日々でした。

“自分の人生”を生きること

そこから、『今日を、そして目の前の一瞬を懸命に生きる』ことが私の生き方の指針になっています。そして、「”自分の意志”で選択すること」が、目の前の一瞬を懸命に生きることだと思うのです。目の前の選択を他人に委ねた瞬間からそれは他人の人生です。それってとっても退屈で窮屈な生き方ではないかと思うのです。純真生の皆さんには、自分の意志で選択する人生を送っていただきたいなと願っています。

後悔のない選択などあり得ない

教員生活の幕をおろすことに後悔がないか、と言われると正直後悔はあります。この純真高校は私の第2の母校と言っても過言ではないので。そもそも後悔のまったくない選択など存在しません。この世の中は、善と悪を完全に割り切れないことばかりだからです。だからこそ、後悔の少ない選択をするため、自分の「心の声」に耳を澄ましてほしいのです。

心の声に耳を澄ます”傾聴力”を育むこと

一般的に「傾聴力」というと、相手の話に耳と心を傾けるというイメージがあります。もちろんそれは正しいと思います。ですが、皆さんは「自分の心の奥底の声」に耳を傾けられているでしょうか?

この複雑化した社会の中で生きていくうえで、「他人からの評価」を避けることはできません。すると、「自分の心に蓋をし、自分を犠牲にして生きていく」、そんな生き方に知らず知らずのうちに陥っていることなど珍しくないのではないかと思います。確かに自己犠牲をいとわない姿勢は美しく見えるかもしれません。ですが、それは自分の人生を全うしたと言えるのでしょうか?

最後に

長くとりとめのない話をしてしまいましたね。私は私自身の心の声を聴き、新たな道で生きていきます。これは私が選んだ私の人生を歩む決断です。この選択は誰のものでもなく、私の責任のもとで決めたものです。後悔がないと言えば嘘になりますが、後悔の少ない選択ができたと思っています。

私の心の声に耳を傾ける勇気がもてたのは、この純真高校での10年間のおかげです。
そんな私の大好きで大切な純真高校に関わるすべての人に感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。

純真高校では、生徒一人ひとりが「自分の人生」の主役として、主体的に選択し続ける力を信じています。太田先生が10年間で蒔いてくださった探究の精神を、私たちはこれからも大切に繋いでいきます。

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