令和7年度2学期終業式レポート 

2025年12月19日、本校では2学期の終業式が執り行われました。

校長講話「できなそう」は大体できる ―― 新年に向けた挑戦のメッセージ

今年最後のお話として、校長の個人的な経験を交えながら、皆さんにメッセージが届けられました。それは「できなそうだなと思っていることは、大体できる」ということです。

素晴らしい講話だったため、全文をご紹介します。

「絶対に無理だ」と言われた音大受験

校長先生は、高校2年生のときに音楽大学でピアノを専攻することを志望されたそうです。しかし当時は、基礎も十分にできておらず、趣味の延長のようなレベルだったとのこと。ピアノの先生からは「絶対に受からないからやめなさい」と止められたそうです。

それでも参加した音楽大学のオープンキャンパスでの公開レッスンでは、周囲のレベルの高さに圧倒され、基礎練習(野球で言えば素振りのようなもの)すらできない自分をさらけ出し、大きな恥をかいたと話されていました。しかし、その経験や出会いが人生を大きく変え、結果として「奇跡」と言える合格を手にすることができたそうです。

後戻りできない状況が自分を成長させる

また、大学・大学院時代も「できなそう」なことの連続だったといいます。特に印象的だったのが、大学院時代にソロコンサートを開催したときのお話です。最初は「自分には絶対に無理だ」と思っていたものの、チラシを作り、チケットを販売し、後戻りできない状況を自ら作ったことで、「やるしかない」と必死に練習に打ち込むようになったそうです。

結果的に、その時が人生で最も練習した期間となり、無事にコンサートを終えることができたとのことでした。この経験から、「無理だ」と思うようなことでも、本気で取り組めば、それなりに形にすることはできると実感されたそうです。

9割がうまくいかなくても、挑み続ける

さらに、今年4月に校長に就任された際も、「自分にはできない」と思ったと率直に語られていました。この1年を振り返ると、9割はうまくいかないことばかりで、挫折や落ち込む日も多かったそうです。それでも、「まだできていない部分」をどうすれば「できる」に変えられるかを考え、今も必死に取り組んでいると話されていました。

「まずは挑戦せよ」

お話の中で、校長先生が繰り返し伝えていた言葉があります。それは、

「まずは挑戦せよ」

「できない」「無理だ」という言葉は、実際に挑戦した人にしか言う権利はない。最初から諦めるのではなく、まずはチャレンジしてみる人になってほしい、というメッセージでした。

新年を迎え、3年生は新たな進路へ、1・2年生もそれぞれの可能性に向けて、多くの「やってみたいこと」が出てくる時期。たとえ「できなそう」に見えても、一歩踏み出してみることが大切。「来年も、お互いにたくさんチャレンジしながら、少しずつ『できる』を増やしていきましょう」という校長の言葉にホールは前向きな一体感で満たされました。

努力と輝かしい成果を称える表彰式

そして、もう一つが「表彰式」です!

税の作文の受賞者、英検・漢検の合格者、数検での優秀成績者、部活動での顕著な成果をおさめた陸上競技部・バレー部・剣道部・ダンス部が表彰され、会場は拍手と喜びの声に包まれました。

真摯な努力で成果を掴んだ同級生を目にすることで、生徒の皆さんにとって大きな励みになったことと思います。

新年に向けて

小澤校長の訓話を聞き、自分自身のこれまでの指導や関わり方を振り返る時間になりました。

生徒は、「自分には無理かもしれない」と不安をよく口にします。そんな中で、小澤校長がご自身の失敗や恥を隠さず語りながら、それでも挑戦を続けてこられた経験を伝えてくださったことは、生徒の心にまっすぐ届いたのではないかと感じました。

今もなお「できないかもしれない」状況に向き合い続ける校長の姿は、生徒だけでなく、私自身にとっても大きな励ましとなりました。

この記事を書いた人

看護科教員Y