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【研修参加レポート】文科省委託「高校コーディネーター全国プラットフォーム構築事業」

R6年度 高校コーディネーター研修(第5回対面研修)

この度、職員研修でお世話になっている東京都市大学の佐藤真久先生からお声掛けいただき、全国の高校コーディネーター研修に純真高校より参加させていただくこととなりました。さらに、本校での取り組みの様子をコーディネーターの皆さんの前で発表する機会をいただくという、とても貴重な経験をさせていただきましたので、その様子をレポートいたします。

参加者

的野 陽(副校長)・太田 めぐみ(教頭)・坂口 憲一(コーディネーター)

どんな研修?

高等学校には多様な背景を持つ生徒が在籍していることから、義務教育段階において育成された資質・能力を更に発展させながら、生徒の多様な能力・適性、興味・関心等に応じた学びを実現することが必要です。このため、令和3年1月の中央教育審議会答申等においては、新時代に対応した高等学校教育等の在り方について、高校生の学習意欲を喚起し、可能性及び能力を最大限に伸長するための各高等学校の特色化・魅力化や、教科等横断的な学習の推進による資質・能力の育成が提言されました。

各高等学校の特色化、魅力化や、教科横断的な学びを実現するためには、地域、大学、国際機関との連携が必要です。高校コーディネーター全国プラットフォーム構築事業とは、学校と関係機関等との連携協力が円滑に行われるよう連絡調整等を行う「コーディネーター(以下、CN)」について、全国的なプラットフォームを構築する事業です。

この研修には、普通科改革支援事業の採択校のCN、管理職、教育委員会の方々が参加されています。わかりやすく言うなら、全国の教育現場の最前線に立つ人々の集まる場所です。そのような特別な場所に今回同席させていただきました。

研修の内容

今回の研修は東京都市大学・佐藤真久先生の「高校CN未来共創新聞づくり」。私たち純真高校が第2回の職員研修で取り組んだワークでした。佐藤先生が「未来共創新聞とは?」をレクチャーされた後に、先行事例として純真高校を紹介。福岡から本校の先生たちが作った未来新聞を持参し、作成例として皆さんに見ていただきました。その後、佐藤先生から取り組みをした時の感想をきかれ、「本校では探究×〇〇というテーマで実施した」「役割分担が大切である」「最初の案が出るまでの議論に時間を割いてほしい」など体験談をお話しし、私たちも一緒にCNの未来共創新聞を作成しました。

未来新聞の作成

この研修に参加しているのは日本の教育の最先端を牽引しているCNです。各グループは「5年後の高校CNのあるべき姿」をイメージし、デザイン思考とシステム思考を駆使しながら、記事を作成しました。本校で実施した際はデザイン思考が強かったのですが、さすがは最先端を行くCNのみなさん。その知識、課題意識、発想力、協働力は経験に裏打ちされたものがあり、しっかりとデザイン思考とシステム思考を往還しながら、議論が進んでいくのが印象的でした。

太田 副教頭

純真高校の取組の発表

新聞づくりと発表の後、20分ほどお時間をいただき、本校の1年半の取組について発表する時間をいただきました。佐藤先生は異なる立場で学校改革を進めるチームだという意味で、我々を「コーディネーターズ」と呼んでくださいます。そのため、今回はそれぞれの立場で学校にどのようにかかわってきたのかをお話しすることにしました。

コーディネーターズ其の一 的野 陽(副校長)

~学園事務局の立場からの学校改革~

学校法人純真学園の事務局長でもあり、純真高校の事務長でもある、三足の草鞋を履く的野副校長は「教育現場を知らない事務員の挑戦」という題でこれまでの取り組みを発表。

  • 本質的な探究教育ができる学校になれば必ず選ばれる学校になると考えたこと
  • 「あなたは教育現場を知らない」と言う教員たちと同じ土俵で対話できる知識を得るためにCN研修にしたこと
  • 本校に必要な外部人材とのつながりを求め参加したCN研修で、坂口コーディネーターや佐藤先生に出会ったこと
  • 教員ではない立場だからこそ、学校現場にある「当たり前」を疑問視し、その本質を議論してきたこと

「教育改革なくして経営改善なし」という志をもって純真高校へ赴任した副校長ならではのお話しでした。

コーディネーターズ其の二 太田 めぐみ(教頭)

~探究って意味あるの?からの学校改革~

  • 探究学習を主軸に学校改革が動き始めた当初、必要性に疑問を感じていたこと
  • 現場教員から管理職へ立場が変わったことによる「苦しみ」の経験
  • 「正解は何か、間違っていないか」ではなく、生徒には「何が問題で、どうしたらいいのか、自分はどう思うのか」を言語化できる力をつけてほしいという考え方の変化が、自分に探究学習の必要性を感じさせたこと
  • 佐藤先生の研修を受けて、教員たちの口から「探究をやっても意味がない」という言葉を聞かなくなったこと
  • 卒業生、保護者を招いての職員研修で学校に求められていることを感じたこと

この半年間で感じた先生たちの変化と自分自身の正直な気持ちをもとにお話ししました。

コーディネーターズ其の三 坂口 憲一(コーディネーター)

~企業経営&公私支援からの学校改革~

  • 深刻な少子化による学校の統廃合や複雑に変化する時代において生徒も学びも多様化していること、そして民間企業が学校教育に関わる機会が増えていること
  • 「人(ヒト)を育てる」という点では、学校も企業も似ているが、その成果の出し方には違いがあること
  • 公立と私立の違い

純真高校の長所は若手教員の勢いがあること、短所は内向きであることという率直な感想と共に、外部との接点を増やすことが大切だとお話ししました。

的野 副校長
本校高校コーディネーター 坂口氏

次回の職員研修に向けて

発表のあとは、新聞で取り上げたテーマについて、具体的なプロジェクトを策定するための問題分析、目的分析を行いました。「直面する問題は何か→その結果どのような影響があるか→直接原因は何か」を考えるのですが、これは次回の本校の職員研修で行う内容ですので、詳細は次回の職員研修レポートでお伝えします。

まとめ

今回の全国CN研修に的野副校長、坂口コーディネーターと共に参加させていただき、貴重な経験をさせていただいたことは大変光栄なことであり、お声掛けいただいた佐藤先生、受け入れいただいた高校コーディネーター全国プラットフォーム構築事業の運営事務局の皆様、発表をお聞きいただいた参加者の皆様に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

今後も純真高校は、生徒一人ひとりの良さを伸ばし、生徒の多様な能力・適性、興味・関心等に応じた学びの実現に向けて尽力していきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

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